4アマチュアの育成とプロの活躍
いいゴルファー、強いプレーヤーを育てる倶楽部に。
日本でも宝塚ほど、多くの競技会とその物語をもつ倶楽部はないだろう。
なによりも倶楽部ライフを大切にする宝塚。オープン時より熱心な常連たちを中心に、
公式競技や倶楽部競技以外にも、さまざまなプライベート競技が楽しまれていた。
昭和6年には、旧皇族の朝香鳩彦様の名を冠した「朝香杯」を。
昭和10年には同じく旧皇族で名誉会員である東久邇稔彦様に「東久邇杯」を創設。
両競技は、現在も続けられている。
また、戦後まもなく競馬場用地として計画されていたゴルフ場を守ったことで倶楽部に貢献のあった中山半氏、岩倉具光氏の名を冠した倶楽部競技も永く続けられている。
「いい倶楽部は、コースが第一であるが、その次にいいゴルファー、強いプレーヤーを生むことが大事」との考えから、ゴルフのマナーと技術研修には力を入れてきた。
若い力を応援する。それがゴルフ界のためにもなる。
会員たちの思いは「家族会員制度」など、学生たちにも門戸を開き、アマチュアゴルフ界に新しい風を招き入れ、石本喜義会員は日本のアマを代表し、海外の試合に参戦した。
研修生からトッププロに躍り出た島田幸作プロ(グランドスラマー、日本ゴルフツアー機構初代会長、2017年ゴルフ殿堂入り)は、「研修生もまず人間として指導された」「この倶楽部には強いアマチュアが多いが、絶対に負けないという信念でやっていた」と振り返る。
競技ゴルフをめざす女性が多いのも宝塚の伝統。
日本女子ゴルフ競技の草創期をリードし、日本女子ゴルフ選手権を4連覇したトップアマの泉谷珠子会員、またプロでは3度賞金女王となった大迫たつ子プロ、ツアー通算15勝をあげた安井純子プロを輩出してきた。
家族的な倶楽部の雰囲気のなかで、競技の楽しさを満喫していただく。
そして、強い選手を育てるために若いゴルファーをサポートしていく。
こうした考えは一貫して倶楽部のなかに生き続けている。